卒業研究が待ちきれないあなたへ
学部生のうちから研究に打ち込みたい学生にとって、生物学類に優る研究環境はないというのが私の持論である。その根拠として以下の3点を挙げたい。
1点目はカリキュラム上の配慮だ。学類独自の研究マインド応援プログラムにおいて特別研究生に認定されれば、卒業研究を待たずに研究室に所属できる。さらに研究内容をレポートとして提出すると、講義と同等の単位としても認定されるのだ。私も学類1年次から研究室の扉をたたき、時間割と研究活動の両立について心配していたため、この制度には大変に助けられた。
2点目に資金面での助成制度が挙げられる。筑波大学では先導的研究者体験プログラムという枠組みのもと、研究計画書の審査結果に基づいて、学類1~3年生に研究費が配分される。また、国際学会に参加する際には海外渡航費援助制度のお世話になった。このような予算申請書の執筆はプロの研究者に必須のスキルであり、学類時代にそのプロセスを経験できたことは大きな糧となった。
3点目は、研究学園都市という立地がもたらす出会いの機会である。近隣の研究機関や企業の開発部門などに足を運ぶと、研究者としての能力をさまざまな形で活かしているロールモデルを見つけられる。私も博物館の学芸員のもとでバイトをしたり、研究所の所員が主催するセミナーに参加したりする中で、人生設計の多様な選択肢が見渡せた。キャンパスの外にも広大な学術の世界が広がっているこの町ならではの利点だと思う。
部活やサークル、恋愛をはじめ、楽しいことが目白押しの大学生活にあって、あえて研究に比重を置きたいというあなたには、ぜひ生物学類をおすすめしたい。幸いなことに、研究熱心な学生はどの学年にも何人か入学してくる。それぞれのテーマに打ち込みながら、良きライバルとして切磋琢磨する友人は、研究を通して得られる最大の財産かもしれない。