生物学類のすすめ~生物学発の創薬を目指して~ | 先輩からのメッセージ詳細ページ  

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先輩からのメッセージ

知念拓実

2009年度卒業

生物学類のすすめ~生物学発の創薬を目指して~

東京大学薬学系研究科生理化学教室  知念 拓実

抗がん剤の標的である分裂期紡錘体。染色体が青、微小管が緑、また極を赤で染色。

 高校3年生であった10年以上前、生物学・医学・創薬を広く学びたいと考えて、人間生物コースのある筑波大学生物学類に入学した。卒業研究では薬に関する研究を行える臼井健郎教授の研究室に所属させて頂き、研究活動を行った。それ以来、筑波大学、ハイデルベルグ大学分子生物学研究所、理化学研究所、国立遺伝学研究所、また東京大学と様々な場所を渡り歩き、生化学や細胞生物学のアプローチを用いて薬剤開発に繋がる研究を続けている。
 生物学には遺伝学や生化学、細胞生物学を始め様々な分野があり、それらはすべて創薬研究に欠かせない。多様な分野の先生方の授業を受けることが出来た生物学類での生活は現在の研究活動の礎となっている(当時は単位を取るのに必死であったが)。また3年次には少人数で科学論文の輪読を行う授業があり、当時全く無知な私にもわかりやすくエキサイティングなサイエンスを教えていただけた(谷本啓司教授)。少人数で濃密な教えを受け(私を含め学生は2人)、研究者を志す意欲が強く掻き立てられたことを未だに覚えている。

 現在はがん細胞が増える仕組みを解明し、その知識を元に創薬研究に発展させようと日夜研究を行っている。細胞が増える仕組みは解明が進んできてはいるものの、研究すればするほど新たな疑問が生じ、なかなか簡単ではない。しかしながら、生じた疑問を根本から理解しようとじっくりと考えていると、少しずつではあるが答えに近づくことがある。生物学の面白さを今になってより強く感じている。生物学に対して興味がある方には筑波大学生物学類をお勧めする。幅広い分野をカバーできる先生方、時には学類をまたいで授業を履修できるシステム、勉学に適したつくば市の雰囲気等、非常に魅力的な大学・学部である。

 

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