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生物学類生によるページ

研究者をたずねて

研究だけじゃない!

生物学類のサイエンス・コミュニケーション団体

「サイエンス・コミュニケーション」という言葉を聞いたことがありますか?科学の面白さや科学の課題などを伝え、一般市民と交流をする活動です。生物学類には、
①サイエンス・コミュニケーションを実践する「SCOUT」
②昆虫を使った社会貢献団体の「つくバグ」
③サイエンス・コミュニケーション能力を鍛える「バイオeカフェ」
の、3つのサイエンス・コミュニケーションに関連した団体があります。

1.『SCOUT』~サイエンス・コミュニケーション実践の場

 筑波大学生物学類へ入学して、「科学の面白さをみんなに知ってもらう活動がしてみたい」と考えているのなら、SCOUT(スカウト)がおすすめです。学生がサイエンス・コミュニケーションを実践する場をつくる、様々な人が科学に興味を持つことを目的とし、Matt Wood先生と尾嶋好美さんを代表に、現在院生と学類生によって活動が行われています。

子どもたちと実験教室
 SCOUTは毎年4月に筑波大学で開催されるキッズユニバーシティでのワークショップ、8月に開催される実験教室など、小さなこどもから小中学生までを対象にした実験教室を行っています。一分間で作れるアイスクリームを作ったり、ゼリーと寒天の違いをパイナップルで調べたり、紙粘土で動物を作ったり…様々な実験を行っています。

ただの実験教室じゃない?SCOUTならではの工夫
 「実験教室」と聞くと、実験の原理を学ぶ内容が思い浮かびます。しかし、「科学は特別なものじゃない。身近にあるものがなんでも科学に結びついていることに気づいてもらいたいですね」(Matt先生)と、サイエンス・コミュニケーションを考えたうえで工夫をして実験教室を行っています。例えば一分間で作れるアイスクリーム実験は材料が牛乳、砂糖、塩、氷、Tシャツだけ。身近にあるものでできます。
 また、イラストやレクリエーションを使った簡単でわかりやすい説明を心がけています。
 「科学にあまり興味が無い子が実験教室に参加した後、家に帰って『今日こんなことしたんだよ!』とお母さんに伝える。普段絶対しないような親子での科学の会話をしてほしい」(尾嶋さん)、とのこと。

科学の面白さはどうすれば伝わる?
 こどもたちに『科学は面白い』と興味を持ってもらうに説明をするのは意外と大変です。「この言葉が伝わるか?」「どこまで説明するか?」「最初に説明した後に実験をするか?逆のほうが良いか?」等、準備の段階で様々な内容をじっくりと話し合うそうです。実験教室で「面白い!」と興味を持ち、実験を楽しんでいるこども達の笑顔を見ると、嬉しくなるのではないでしょうか。

メンバーから

見学や参加希望のお問い合わせ
scout@tsukubascience.com

公式ホームページ
http://scout-tsukuba.com/?lang=ja
Facebookページ
https://www.facebook.com/SCOUTScience-Communication-Of-University-of-Tsukuba-316275968437155/

こんな人におすすめ
コミュニケーション能力を高めたい、科学の面白さを人に伝えたい、新しいことにチャレンジしたい

2.『つくバグ』~昆虫を使って社会貢献~

 「生物が好きで、生物を主にサイエンス・コミュニケーションがしたい」というかたにおすすめなのが、学類生による社会貢献団体、つくバグです。
 代表者である井戸川直人さんを中心に12人の学類生で構成され、3種類の活動をしています。
「最初は昆虫に興味がある人が加入するのですが、活動を通して環境教育や社会貢献、研究者の社会的な責任にも興味を持つメンバーが多いです」(井戸川さん)と、メンバーは多彩。

自然をより身近に~子供向けの自然観察教室~
 年に1~2回、子どもたちを対象に、野外で虫採りや採った虫の標本づくりといった自然観察教室があります。虫をよく観察すると、体の構造だけでなく住んでいる環境も異なってくるのがわかるそうです。

自然観察教室の様子。こどもたちはスタッフの説明を聞いて、虫を観察 

新しい時代の食事を楽しむ~「虫食うべ」~
 大学外の人々に蜂の子やイモムシなどを調理して食べてもらう「虫食うべ」。「人口の増加に伴って食料危機が叫ばれている中、昆虫食に期待が集まっています」(井戸川さん)きちんとした目標で行われているのは、社会貢献団体ならではです。

膨大な展示の雙峰祭
 最後に紹介する活動が雙峰祭での展示です。つくば市近辺の皆さんに昆虫の奥深さを知ってもらうため、数千点を超える虫の標本や生体展示、虫に関するトークショーを行っているつくバグのブース。来場者が毎年1000人もいます。
 
楽しい活動は綿密な計画から
 活動に参加する人々につくバグの趣旨を理解してもらえるようには、メンバーのチームワークと念入りな準備が不可欠です。
「活動に関する安全性をT-ACTの弁護士に相談するなど、基本的な段階から準備をするときもあります」(井戸川さん)と、活動の3,4ヶ月前からしっかりと計画を立てて準備をしていきます。

「自分の好きな生き物を使ってサイエンス・コミュニケーションをやりたい」…そんなあなたはぜひ
つくバグへ! 

メンバーから

見学、参加希望のかたは
毎週木曜日の19:00から、生農E棟一階のラウンジにてミーティングを行っています。気軽にお越し下さい。

公式ホームページ
http://www.agbi.tsukuba.ac.jp/~tsukubug/
twitter
https://twitter.com/Tsukubug?ref_src=twsrc%5Etfw
facebookページ
https://www.facebook.com/tsukubug/?fref=ts

こんな人におすすめ
幼児教育、自然・環境教育に興味がある、人の役に立ちたい、生き物の良さを伝えたい!

3.『バイオeカフェ』~楽しみながらサイエンス・コミュニケーションを身に着ける!

 この記事を読んでいるうちに自分も「サイエンス・コミュニケーションの能力を実際に身に着けていきたい」と思った方には、バイオeカフェをおすすめします。

今年で10年目!筑波大初のサイエンスカフェ
 バイオeカフェはサイエンス・コミュニケーションの活きた道場となることを目的とした、世話人代表の小野道之先生と学生スタッフからなる生物学類の公認団体です。一年間に10回、大学会館やBiviつくばなどで「バイオeカフェ」を開催しています。2016年の4月に第100回目を迎えます。
 お茶が用意されたリラックスできる雰囲気の中、大学教員や研究者、専門家や遺伝子カウンセラー、サイエンスライターや新聞記者などの様々な専門家が一般の人に向けて話題を提供し、お互いにコミュニケーションをします。
 一般の人(参加者)は話題提供者の話を楽しみ、話題提供者(専門家)も参加者の理解の様子や、どのような考え方や意見がでてくるのかを知ることができます。参加者と専門家のコミュニケーションの架け橋として活躍するのが、学生スタッフなのです。

バイオeカフェのゆったりとした雰囲気

学生スタッフが活動の中心
 2006年に大学の食堂で開かれて以来、「サイエンス・コミュニケーションの授業にもなるようにと始めましたが、学生主体のサークルのような和気あいあいとした活動に進化しました。話題提供者の懸命に話す様子を見て、科学に関する話をする時に参考にしたい話し方やプレゼンの見せ方に気づいたりすることで、サイエンス・コミュニケーションのノウハウが自然に身につきます」(小野先生)と、様々な事を学びながら学生スタッフは準備を進めていきます。
 また、一般の人々と話す話題提供者をつなぐためにも、「わからない単語をスタッフが把握したり、一つのテーブルで理解度の差があってもその差を埋めるような配慮をしたり、科学に関して知識があまりない人でも楽しめるような感じにしています」(木村さん)と、工夫を凝らしています。

バイオeカフェの魅力とは
 魅力については、「自分達が聞きたい話を聞き、楽しむということです。バイオeカフェはそれぞれの回でプロデューサーが1名または2名で立候補し、話題提供者との打ち合わせから当日の司会までを担当します。プロデューサーになれば、準備などで楽ではないなと感じることもあります。しかし、カフェの体験から自分が変わったり、将来の進路が見えたという学生も少なくありません。また、学類生から大学院生までを含む、学年を超えた縦の繋がりができるところも魅力です」(木村さん)とのこと。学生主体だからこそのやりがいが良いですね。

メンバーから

見学、参加希望のかたは
毎回バイオeカフェを開催した後、片付けをしてミーティングを行います。 ミーティングに参加してスタッフになりたいという旨を伝えるとスタッフになることができます!一年中いつでもスタッフになれます。

世話人代表ホームページ
http://gm-edu.sakura.ne.jp/bio_e_cafe
学生スタッフホームページ
http://d.hatena.ne.jp/BIOeCafe/
twitter
https://twitter.com/bio_e_cafe

こんな人におすすめ
人と話すのが好きになりたい、いろんな人と話せるようになりたい、大学の授業で学べないことを学びたい、自分のサイエンス・コミュニケーション能力を身につけたい、同じような志を持つ、学年を超えた仲間と活動したい

【取材・構成・文 山田侑希 】

PROFILE

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